事業計画一覧

2020年度事業実績ならびに庶務報告

 今年度は、昨年度来の新型コロナウイルス感染はパンデミックとなり、収束の兆しすら見通せないままに推移した。東京開催予定のオリンピック・パラリンピックは次年度に延期され、わが国経済も大きな落ち込みが確実視されている。
 鉄道事業者各社におかれても、大幅な営業収支の悪化が見込まれており、一層のコスト管理を徹底されている。
 このような環境のなか、当協会は、新型コロナウイルス感染症対策に最大限留意しつつ、定款に掲げる 「鉄道電気関係工事の安全施行に関する調査、研究、講習及び資格認定、並びに安全技術の普及、改善に寄与し以て鉄道事故防止を促進する」ことを念頭に、会員各位への支援を進めてきたが、上期においては、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、発出された緊急事態宣言に対応すべく、講習会事業等の計画変更を実施した。すなわち、4、5月はほとんどの事業を中止し、6月再開以降の講習会等は、会場への人数制限(回数増加で対応)や都度の消毒、また講習生への検温や手洗い、マスク着用等万全な感染予防対策を確保しての実施等の取組みを継続し、概ね計画とおり実施できた。
 また、一般社団法人として健全経営の確立を目指すとともに、当協会職員の働き方及び環境の改善に努めてきた。

〔1〕2020年度事業実績

1.
会員への支援
  • (1)調査・研究、委員会事業
    4月、5月、6月の事故防止委員会は、新型コロナウイルス感染症対策として、会議開催を行わず、資料送付で事故情報等の共有を図った。7月以降については、三密を避ける等の新型コロナウイルス感染症対策を行い、会議を開催し、事故情報の共有化、事故防止策の検討等を実施し、水平展開を図った。
    (附属資料-1 2020年度委員会事業等実績表)
    また、以下の事項に取り組んできた。
    • ①2018年9月に開始した、信号関係の「安全作業指導書(信号事故事例集)」の編纂について、昨年度に原稿の作成、集約を終え(2019年12月)、引き続き各鉄道事業者委員による同校正委員会を発足させ、2020年11月に完成、製本し、12月に会員及び鉄道事業者に頒布を終了した。
      また、昨年度末に刊行した「安全作業指導書(電車線事故事例集)」と同様に、当協会ホームページの安全資料図書室に掲載し、会員の事故防止を支援した。
    • ②「安全作業指導書(電車線事故事例集)」編纂の活動を引き継いだ、JR6社電力ワーキンググループを継続実施し、実務レベルによる事故情報と事故防止対策の共有化と情報交換を推進する予定であったが、新型コロナウイルス感染症対策で、開催が出来ない状況であった。
      また、信号関係についても、「安全作業指導書(信号事故事例集)」の編纂が終了したあと、同様の活動を発足させる予定であったが、新型コロナウイルス感染症対策の影響で同指導書の編纂作業が年末まで遅れたため、次年度より活動開始する予定である。
    • ③2018年度から開始した、年代別・支部別有資格者数の把握分析を継続実施し、会員の資格者確保のための方策検討に供している。
    • ④安全資料図書室(当協会ホームページ)に、変・給電死傷事故事例集、電車線事故事例集に続き、信号事故事例集を掲載し、安全資料図書室の充実を図り、会員の事故防止に資するとともに、講習会資料に活用してきた。
  • (2)講習会・資格認定事業
    • ①鉄道事業者における資格認定制度の変更や規程類の改訂等を迅速に把握し、常に資料のブラッシュアップを実施し、講習会内容及び資格認定業務に的確に反映している。
      なお、今年度より、首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス)の請負工事資格認定及び運転適性検査の実施、判定業務を新規に受託した。
    • ②10条教育、適性検査、安全教育ならびに資格認定業務など、鉄道事業者の要請に対して積極的に対応している。
      なお、東海旅客鉄道株式会社の在来線の運転業務を行う請負会社の10条教育を受託した。
      (附属資料-2 2020年度講習会事業等実績表)
  • (3)表彰事業
    • ①2020年度施工安全賞及び鉄道電業安全協会功労賞表彰は、新型コロナウイルス感染症対策として社員総会後の表彰式は行わず、施工安全賞52名、鉄道電業安全協会功労賞9名について、各支部長より受賞者に表彰状、記念品を伝達した。
      (附属資料-3 2020年度施工安全賞・鉄道電業安全協会功労賞受賞者名簿)
  • (4)特別会員(鉄道事業者)との連携強化
    • ①3月10日に意見交換会を実施し、特別会員共通の議題及び今後の協会業務等のほか、双方の要望や課題を検討、対応策を議論した。
    • ②さらなる関係強化が望まれる公民鉄事業者の特別会員への加入を促進している。
2.
健全経営の確立
  • (1)当協会の経営基盤である講習会の品質向上
    • ①講師職員の高齢化が進んでおり、確実な後継者の確保と育成を図るため、各支部長を経由して、後継者の人材確保をお願いしている。
    • ②講師職員の当協会採用年齢の高齢化による在職期間の短縮に対処すべく、講習内容の共通化と講習ノウハウの‘見える化’を推進している。
    • ③協会OBや協会外の適任者、鉄道事業者等による派遣講師の体制を整備している。。
  • (2)資格等の重要な個人情報を取扱い、また管理している当協会の情報セキュリティを徹底するため、情報管理者を各支部・支所毎に指定し、個人情報の漏洩、改ざん、紛失等を防止し、適正な管理を徹底している。
  • (3)受講者数の減少が想定される経営環境における収益の向上
    • ①東海支部において、在来線の10条教育を今年度から受託した。また、東日本支部においては、首都圏新都市鉄道㈱と委嘱契約を締結し、講習の新規受託、資格認定業務の受注拡大を図った
    • ②講習会等の原価に基づく料金の適正化を図るべく検討を進めている。
  • (4)業務の改善
    • ①今期変更した「講習会等請求書電子化について」4月及び5月に周知徹底を図り、正確な資金管理を行っている。
    • ②4月から運用開始された、収益管理、新経理システムの業務マニュアルを作成し定着を図った。
    • ③講習会や講習料等の管理に関して整理統合を進め、講習会計画及び実績管理の簡素化の検討を進めている。
    • ④4月に、各支部・支所毎に新経理システムの個別講習会を遠隔サポートで実施した。また、12月に新経理システム導入後の運用状況等についてWeb会議を実施し、新経理システム処理の知識向上を図った。
  • (5)支部長会を11月12日、事務局長・支所長会議を7月13日、10月28日、12月25日、2021年2月17日に開催し、本部・支部・支所間の意思疎通を図った。
3.
協会職員の働き方や環境の改善
  • (1)有給休暇取得や超過勤務の削減に資する仕事の仕組み改善を図っている。
  • (2)資格管理及び総務経理関係業務に関する適切な体制を整備するとともに、計画的な育成を図っている。
  • (3)新型コロナウイルス感染症対策として、空気清浄機、アクリルパーテーション、非接触式電子体温計、非接触式検知器サーモマネージャー、マスク、消毒液等を配備し、職場環境の改善を図った。
  • (4)新型コロナウイルス感染症対策として、職員の勤務体制、始終業時刻の変更、在宅勤務を導入し、感染症防止対策を図った。
  • (5)インフルエンザ対策の一環として、全職員を対象に一定の条件の基に、インフルエンザ予防接種助成金を支給し、予防接種の慫慂を図った。

〔2〕庶務報告

1.
社員総会
  • (1)第9回定時社員総会
    2020年6月18日(木)東京都台東区上野二丁目12番20号NDKロータスビル5階会議室において開催し下記議案を可決した。
    報告事項Ⅰ
     2019年度事業実績並びに庶務報告
    第1号議案
     2019年度計算書類等の承認の件について、承認可決された。
     (貸借対照表、正味財産増減計算書及び財産目録)
    報告事項Ⅱ
     2020年度事業計画
    第2号議案
      定款の一部変更の件について、承認可決された。
    第3号議案
     規程の一部改正の件について、承認可決された。
    第4号議案
      役員(理事、監事)選任の件について、承認可決された。
  • (2)2020年度第1回臨時社員総会
    2020年8月7日(金)東京都台東区上野二丁目12番20号NDKロータスビル5階会議室において開催し下記議案を可決した。
    第1号議案
     理事辞任に伴う新理事補欠1名選任の件について、承認可決された。
2.
理事会
  • (1)第44回(通常)2020年5月15日(金)≪新型コロナウイルス感染症対策のため書面による決議≫
    • ア.2019年度計算書類等の承認について、原案のとおり承認された。
    • イ.第9回定時社員総会の招集及び議案について、原案のとおり承認された。
    • ウ.第9回定時社員総会の運営方法について、原案のとおり承認された。
    • エ.特定資産の一部運用について、原案のとおり承認された。
    以上、4件の会長提案につき、2020年5月15日、理事の全員から書面による同意の意思表示があり、監事からは異議がないことの確認があったので、当該提案は理事会の決議があったものとみなされた。
  • (2)第45回(通常)2020年5月29日(金)≪新型コロナウイルス感染症対策のため書面による決議≫
    • ア.任期満了に伴う理事及び監事候補者の選任について、原案のとおり承認された。
    • イ.第9回定時社員総会議案の一部修正について、原案のとおり承認された。
    以上、2件の会長提案につき、2020年5月29日、理事の全員から書面による同意の意思表示があり、監事からは異議がないことの確認があったので、当該提案は理事会の決議があったものとみなされた。
  • (3)第46回(臨時)2020年6月18日(木)
    • ア.理事の役職選任の件について、原案のとおり承認された。
    • イ.非常勤役員(非会員)に対する謝金支給の件について、原案のとおり承認された。
  • (4)第47回(臨時)2020年7月8日(水)≪新型コロナウイルス感染症対策のため書面による決議≫
    • ア.理事辞任に伴う新理事補欠1名選任の件について、原案のとおり承認された。
    • イ.2020年度第1回臨時社員総会開催の件について、原案のとおり承認された。
    以上、2件の会長提案につき、2020年7月8日、理事の全員から書面による同意の意思表示があり、監事からは異議がないことの確認があったので、当該提案は理事会の決議があったものとみなされた。
  • (5)第48回(通常)2020年11月11日(水)≪新型コロナウイルス感染症対策のため書面による決議≫
    • ア.2020年度事業計画進捗状況について、原案のとおり承認された。
    • イ.2020年度上期比較正味財産増減計算書(通期見込)について、原案のとおり承認された。
    • ウ.2021年度施工安全賞表彰予定者数について、原案のとおり承認された。
    以上、3件の会長提案につき、2020年11月11日、理事の全員から書面による同意の意思表示があり、監事からは異議がないことの確認があったので、当該提案は理事会の決議があったものとみなされた。
  • (6)第49回(通常)2021年3月18日(木)≪新型コロナウイルス感染症対策のためWeb及び集合形式≫
    • ア.規程等の改正について、原案のとおり承認された。
    • イ.2020年度事業計画の実績について、原案のとおり承認された。
    • ウ.2021年度事業計画について、原案のとおり承認された。
    • エ.施工安全賞及び協会功労賞の表彰について、原案のとおり承認された。
    (附属資料-4 会員の増減)
3.
企画委員会
 実施日 2020年5月8日(金)、2020年7月14日(火)、2020年11月5日(木)、2021年3月11日(木)。
 なお、5月8日、7月14日、11月5日は新型コロナウイルス感染症対策のため書面にて実施した。
3月11日は、Web及び集合形式で開催した。
4.
特別会員意見交換会
 2021年3月10日(水)に特別会員意見交換会を開催した。新型コロナウイルス感染症対策のためWeb及び集合形式で実施した。
5.
業務執行会議
 2020年4月から2021年3月の間46回開催した。(146回から191回)
6.
叙勲・褒章などの合同祝賀会
 2020年12月10日(木)ステーションコンファレンス東京において、(一社)鉄道電業安全協会、(一社)日本鉄道電気技術協会、(一社)信号工業協会の三協会共催の2020年春・秋の叙勲者、国土交通大臣表彰合同祝賀会は新型コロナウイルス感染症対策のため中止した。
7.
賀詞交換会の合同開催
 2021年1月5日(火)弘済会館において、(一社)鉄道電業安全協会、(一社)日本鉄道電気技術協会が共催する賀詞交換会は新型コロナウイルス感染症対策のため中止した。

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